PKゲストハウスの娘さんに逢う!≪九月二日≫ ―爾―”P・K、Guest House”と書かれたゲートをくぐって行くと、広場の正面に二階建ての白いハウスがあり、左手に木製の古い二階建ての建物、右手には家族用の建物がある。 バンコックの安宿より、小奇麗な建物だったので一安心。 俺「コンニチワ!」 娘「ハーイ!」 素朴で可愛い娘さんが出てきた。 ここの娘だろうか、それともここに雇われている娘さんだろうか。 俺「泊めてもらいたいんですけど、空いてますか?」 娘「ええ!どうぞ!名前は?」 俺「ヒガシカワ!と言います。」 娘「ヒガシカワ!いい名前ですね。」 俺「あなたの名前は?」 娘「デーンと言います。」 俺「デーンさん、いい名前ですね。」 娘「ヨロシク、オネガイ、シマス!」 俺「あっ・・・ハイ!」 英語が通じた。 娘さんは素晴らしい英語で説明を始めた。 娘さん「この正面の白い建物では、ダブルベッドの置かれている部屋が一人40バーツ(≒600円)、ツインベッドが置かれている部屋が二人でも一人でも50バーツ(≒750円)です。そして、あっちにある木製のハウスは一部屋、シングルで25バーツ(≒375円)です。OK?」 俺は、娘さんの可愛さに見とれていて、慌ててOK!OK!と言ってしまった。 娘さん「OKOK!って、何処にしますか?」 俺 「あっ、そうか。正面の白い建物のツインで。」 娘さん「2階の左から二つ目のダブルベッドの部屋が空いていますけど。」 俺 「すいません、そこで良いです!」 娘さん「解りました!用意しますので、下でちょっと待っててください。」 俺 「ハイ!」 朝、早かったがここに泊まっているのか、二、三人の毛唐と顔を合わし挨拶をした。 ここは旅行客ばかりだと言っている。 娘さんは今、起きたばかりなのか、なぜかパジャマ姿。 娘さん「いいですよ!上がってきてください。」 俺 「は~~~い!」 部屋に入ると、二つに分かれていて、奥にトイレとシャワーがある。 入った所には、ダブル・ベッドと丸いテーブル、そしてイスが一つに壊れた?扇風機が一台。 入り口のドアはアメリカ式なのか、二重の扉になっている。 虫が入らないようにという事らしい。 ベッドに腰を降ろして、荷物を出していると、パジャマから着替えた娘さんが、毛布と枕をもって入ってきた。 ベッドを作りながら声をかけてきた。 娘さん「何処から来ましたか?」 もちろん英語で。 俺 「日本です。」 娘さん「グッド!私も日本に行って見たいです。でも、無理ね、バンコックでさえ行けるかどうかわからないのにね。」 顔が笑っている。 娘さん「朝食はどうしますか?」 俺 「食べたいけど、何がありますか?」 娘さん「コーヒーとパンならありますよ。それに、エッグも・・・・用意してきますから、後で下へ下りて来てください。」 ベッドを作り終えると、そういって部屋を出て行った。 俺は、もうベッドに身を沈めて眠ってしまった。 バスの中では、十分な睡眠が取れていなかったのか、疲れからなのか、死んだように眠っていたようだ。 娘さんの声が夢の中で聞こえてきた。 娘さん「出来たよ!」 俺 「は~い、今下りて行きます。」 コーヒーにパン(2バーツ≒30円)の朝食とりながら、外に出されたテーブルに肘をついて、堀の見える通りを眺めている。 今入ってきたゲートの外は、狭い道路と堀端に植えられた緑濃い木が見えている。 そこを、ひっきりなしに車とか輪タクが通り過ぎて行く。 朝の八時半ともなると、日が射し始めて早朝の冷気が嘘のように暑くなる。 娘さんの妹だろうか、小さな二人が顔を見せる。 五歳と十二歳くらいだろうか。 笑顔を見せると、ニッコリと笑い返してくれる。 まだ、頭がボー!っとしているようで、朝食を済ませると部屋に戻り、鍵を閉めて鎧戸も閉め、部屋を暗くしてベッドに倒れこんだ。 この一瞬の気持ちよさは、なんとも言えない。 夢の中へ! |